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No. 01·私たちの視点

エビデンスに基づく、
核酸医薬の設計。

ASO・siRNAの設計判断を、計算解析、文献の知見、実験結果につなぐ。

設計上の判断を根拠となるエビデンスに結び付け、前提条件と不確実性を明示する。

候補設計における選択と判断

核酸医薬の設計には、標的部位、配列、化学修飾についての選択が伴います。それぞれの選択には、明確な科学的根拠が必要です。

アンチセンス核酸(ASO)や低分子干渉RNA(siRNA)の研究では、候補リストを得た後にも判断が続きます。最初のスクリーニングに進める配列はどれか。その選択を支えるエビデンスは何か。その実験で、どの不確実性を解消するのか。

DLeaderは、核酸化学と機械学習の研究から生まれました。候補設計を、その根拠、前提条件、実験の優先順位と結び付け、研究者がこれらの問いに答えられるようにする。そのためにKumiChemを開発しています。

エビデンスと不確実性の統合

候補を選ぶまでに、研究チームは文献、転写産物データベース、設計ツール、構造解析、予測モデルを参照します。それぞれの結果が答えるのは、問いの一部です。最終的な判断には、それらをどう組み合わせて解釈するかが関わります。

活性予測では有望な候補でも、配列に基づくオフターゲット評価で、意図しない相互作用の可能性が示されることがあります。こうした所見には解釈と実験による確認が必要です。標的転写産物が変われば、対象となる部位も変わり得ます。候補選定では、不確実性と想定する実験条件を明示的に検討する必要があります。

実験研究では、siRNAのシード領域を介したオフターゲット転写産物の発現抑制 [1] や、網膜モデルにおいて、同一配列のASOでも化学修飾によってスプライシング調節の効果が異なること [2] が報告されています。候補評価では、化学的・生物学的な条件を明確にすることが重要です。

設計には、何が根拠で、何が不確実で、次に何を確かめるかを示す必要があります。

候補設計とエビデンスの接続

KumiChemは、核酸医薬の創薬研究を支援するベータ版のAIエージェントプラットフォームです。初期の重点領域はASOとsiRNAで、候補生成と計算評価を一つのワークフローにつなぎます。開発の目標は、研究者が根拠を確認し、実験評価の計画に活用できる、優先順位を付けた候補リストを提供することです。

候補設計では、標的、配列の制約条件、検討する化学修飾を定めます。エビデンスの評価では、予測、文献の知見、実験での観察が、その選択をどう支持するかを検討します。これらをワークフロー全体で結び付けることが、私たちの目標です。

01候補を設計する
02エビデンスを評価する
03実験の優先順位を決める
ワークフローの概念図。実験結果を、次の設計サイクルに反映していきます。
ASO設計の課題例

「最初のスクリーニングで、有用な情報を得られる候補はどれか?」

根拠を確認できる候補リストには、次の3点が必要です。

  • 設計の定義。 標的転写産物、候補部位の選定に用いた前提条件、検討する化学修飾。
  • 根拠となるエビデンス。 各候補を支える解析と観察結果。相反する結果や未解決のリスクも含めます。
  • 実験で答える問い。 最初の実験で明らかにすることと、その結果が設計に与え得る影響。

透明性のある研究判断支援の原則

入力・手法の追跡可能性

配列の識別子とバージョン、ツール・モデルのバージョン、主要なパラメータ、参照情報を記録することを目指しています。研究者が提案の根拠となる解析を確認し、可能な範囲で再現できることを重視します。

予測と実験的エビデンスの区別

計算による順位付けは、候補の優先順位に関する仮説を支えるものです。候補の活性やオフターゲット作用は、条件を明示した実験で評価する必要があります。ワークフロー全体で、モデル予測、文献由来のエビデンス、実測値を区別して示すことを目指します。

研究者による目標と評価基準の設定

標的、制約条件、評価基準を定めるのは研究チームです。科学者がトレードオフを検討し、実験を選びます。KumiChemは、その判断を支える根拠を充実させるためのものです。

実験的エビデンスに基づく設計の改善

次の重点課題は、研究パートナーとの共同評価です。標的、候補の化学修飾、アッセイ条件、評価項目、比較対象を事前に定める必要があります。モデルを評価する場合は、評価用データをモデル開発から分離します。そのうえで、新たに実施する実験により候補の性能を評価し、見直すべき前提条件を明らかにしていきます。

このブログでは、その過程での設計判断、評価結果、得られた知見を共有していきます。

私たちが目指すのは、設計とエビデンスの循環です。エビデンスを基に候補を設計し、実験で得た知見を次の設計の改善につなげます。

参考文献

  1. Jackson AL et al. (2006). Widespread siRNA “off-target” transcript silencing mediated by seed region sequence complementarity. RNA 12(7):1179–1187.
  2. Vázquez-Domínguez I et al. (2024). Efficacy, biodistribution and safety comparison of chemically modified antisense oligonucleotides in the retina. Nucleic Acids Research 52(17):10447–10463.

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KumiChemおよびASO・siRNA研究への活用についてのお問い合わせを受け付けております。初回のご相談では、一般的な設計上の課題、ワークフローに関するご要望、プラットフォームについてのご質問などをお伺いします。機密性のあるプロジェクト情報をご開示いただく必要はありません。

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